個人事業主の方が事業の成長を遂げることで考えるのが法人化(法人成り)ではないでしょうか?
今回は実際に私達(Fintax税理士法人)が法人化をされる個人事業主の方をサポートさせていただいた事例をもとに法人化するタイミングや法人化のメリット/デメリットを御紹介いたします。
法人化では、免税期間の延長やビジネスの信用度向上といった多くのメリットが期待できます。しかし、一方で設立に伴う初期費用や継続的な運営コストといったデメリットも無視できません。法人化の検討では、法人化のタイミングやそのメリット・デメリットを事前に理解いただくことが重要です。
さらに、2023年10月1日から始まるインボイス制度の影響も検討が必要です。この新制度の導入により、個人事業主の方々は取引先からの様々な要求や対応が求められます。
こうした環境の変化もふまえて、法人化を検討される個人事業主の方々が抱える疑問や不安に、私たちFinTax税理士法人が実際にサポートした事例を基に、詳しい解説と対策をお伝えしているので、是非最後まで御確認ください!
個人事業主の法人成りとは
「個人事業主の法人化」とは、個人で事業を営んでいる人が新たに会社を立ち上げ、その会社に自身の事業を移管することを指します。このプロセスを、もう少しカジュアルに言い換えると「法人成り」と言います。この言葉は、文字通り、個人事業主が法人の形態に「変わる(成る)」ことを意味しています。
近年のビジネスの動向として、2023年10月1日から開始される「インボイス制度」が注目されています。この新制度は、個人事業主にとって大きな影響をもたらす為、インボイス制度の導入を受けて、法人化を考える方が増えてきています。
法人化の具体的な手続きや、それに伴う必要な準備や費用に関しての詳細は、弊社が提供する「個人事業主から法人化とは?手続きと必要な準備・費用をフリーランスにもわかりやすく解説」の記事で詳しく解説しています。興味のある方は、こちらの記事も合わせてご参照いただけると幸いです。
個人事業主も法人化できる?
結論として個人事業主が法人を設立することは適切な手順を踏むことで実現できるので、法人化できます。
法人化とは、個人事業主が会社を設立し、その事業を引き継ぐプロセスを指します。このプロセスは「法人成り」とも呼ばれ、個人事業主が法人を設立して法人に「成る」ことからこの名前がついています。
ただ、法人を設立することで税制面等、様々なメリットとデメリットがある為、皆さんの事業運営にとってどちらが良いのか事前によく検討してくださいね。
個人事業主が法人化するタイミング
個人事業主が法人化するのに良いとされているタイミングは、売上や利益・事業拡大という3つのポイントから考えられます。
法人化することで税金が高くなってしまうかもしれないので、事前に今の皆さんの事業の状況をよく確認してくださいね。
個人事業主が法人化するタイミング1
売上高が1,000万円を超えた
個人事業主としての事業所得売上が、1,000万円を超えた場合は法人化を検討されたほうがよいでしょう。
個人事業主・法人にかかわらず、年間売上が1,000万円を超えた場合、1,000万円を超えた年の2年後から消費税課税事業者となり、消費税を納める義務が生じます。
しかし、消費税課税事業者となる義務が生じたタイミングで法人化すると、売上の基準がなくなるため、最低2年間の消費税免税期間を作れます。
たとえば、2023年に個人事業主としての売上が1,000万円を超えて、翌年の2024年に法人化(法人Aとします)したとします。
新しく設立した「法人A」は、当然ですが法人Aとしての売上が2024年分からしか記録がありません。すると2024年の売上をもとに消費税を課税できるのは2年後の2026年からとなります。
その為、2024年と2025年は消費税が免除される為、売上が1,000万円を超えた時が法人化を検討するタイミングと言われています。
ただし、法人設立に伴う資本金が1,000万円を超えている場合は特例の規定にて初年度から課税事業者となるため、注意しておきましょう。法人化により消費税が免除される条件は次の通りです。
法人設立1年目:
・資本金が1,000万円未満であること
法人設立2年目:
・資本金が1,000万円未満であること
・以下の1.2のいずれかの条件を満たしていること
(1)事業開始後1期目の前半6ヶ月における課税売上高が1,000万円以下であること
(2)事業開始後1期目の前半6ヶ月における給与等の支払総額が1,000万円以下であること
個人事業主が法人化するタイミング2
個人事業の所得が800万円を超えた
法人化のタイミングとして次に御紹介するのは、個人事業の所得金額が800万円を超えた場合を御紹介します。
まず、個人事業主は累進課税率、法人は比例税率でそれぞれ所得税・法人税が計算されます。所得金額別の個人事業主と法人の所得税と法人税の税率は次の通りです。
個人事業主 | 法人 | |
---|---|---|
税金の種類 | 所得税 | 法人税 |
制度 | 累進課税率 | 比例税率 |
税率 | ・195万円以下:5% ・195万円超330万円以下:10% ・330万円超695万円以下:20% ・695万円超900万円以下:23% ・900万円超1,800万円以下:33% ・1,800万円超4,000万円以下:40% ・4,000万円超:45% | 所得額 ・800万円以下:15% (適用除外事業者は19%) ・800万円超:23.20% ※資本金1億円以下の普通法人の場合 |
この表を見てもらうと分かると思いますが、個人事業主の所得が800万円の場合、個人事業主にかかる税率は23%ですが、法人税にかかる税率は15%です。
控除分を差し引いても個人事業主の納税金額の方が高くなるため、一般的に個人事業の所得が800万円を超えたタイミングが法人化を考えるタイミングと言われています。
所得額は得られた利益から経費・社会保険料・控除等を差し引いた金額です。
法人の場合は、会社としての法人税・社会保険料を支払いますが、自身に役員報酬を分配し、個人でも所得税や社会保険料を支払う必要があります。
そのため、分配する金額によっては社会保険料が高くつき、手取りが減ってしまう場合もあります。また、将来的に受け取る金額を考慮すると、年金の増加額も考える必要があります。
以上のことをふまえて、法人化は800万円を超えたあたりから考えるのが良いとされています。ただ、皆さんの役員報酬にかかる所得税・社会保険料と、会社に残すお金にかかる法人税・社会保険料とのバランスが重要です。
法人化に伴う役員報酬や所得税・社会保険料等の費用、会社に残る金額等のバランスが気になる方は税理士等の専門家に御相談ください!
実際には法人化するにも様々な準備が必要になります。私達としては個人事業主としての事業所得が700万円を超えたタイミングで相談していただくことをお勧めしています。
個人事業主が法人化するタイミング3
事業の拡大を検討しだした
事業を拡大してビジネスの規模を大きくするには、法人化することが必要になることが多いでしょう。特に以下のような状況の際は、法人化をする絶好のタイミングだといえます。
- 法人でないと契約できない案件などがある
- 株式の発行などによる資金調達を考えている
また、法人でしか活用できない補助金や助成金も法人になることで利用できます。個人事業では事業の規模にも限界があるので、さらに事業拡大を目指す場合は法人化することがおすすめです。
法人成りのメリットって何?
個人事業主の法人化メリット5選
個人事業主の法人化メリット1
税制上有利となる
個人事業主が起業して法人化することによって、税制上有利となり以下のようなメリットが得られます。
個人事業主の法人成り税制メリット
役員報酬を損金として扱える
個人事業主としてビジネスをしている場合、売上から使ったお金(経費)を引いた残りが所得です。その所得に対して所得税がかかります。
一方、法人では自分の給与(役員報酬)が経費として認められます。役員報酬は給与所得控除の対象となり、控除額によって全体の所得を減らすため、節税が可能になります。
役員報酬は税法において給与所得として扱われるため、受け取る個人に所得税が課されます。
しかし、役員報酬を経費として計上できる法人では、課税所得を減らすことができます。課税所得が0円になれば、法人税が発生することはありません。 さらに、住民税の法人税割は適用されず、均等割による住民税のみが課せられるというメリットもあります。
個人事業主の法人成り税制メリット
役員への退職金が損金として認められる
個人事業主の場合でも、一定の要件を満たせば従業員に対する給与や賞与を必要経費として計上することができます。ただ、個人事業主の方、本人に対する退職金は必要経費にできません。
しかし、個人事業主が法人化することで、役員への退職金も原則として損金算入が認められます。損金算入することで法人所得を減らせるというメリットがあります。
個人事業主の法人化メリット2
賠償範囲を制限することができる
個人事業主は、経営が悪化した際、取引先への未払い・金融機関からの借金・滞納した税金等は個人の債務となります。
しかし、法人(株式会社や合同会社)になると、個人保証が付与された借入を除いて、責任は出資額に限定されます。このように賠償範囲を制限できるのは、法人化だからこそ受けられるメリットといえます。
個人事業主の法人化メリット3
赤字(欠損金)を10年間繰り越せる
事業を営んだ結果、税法上の所得が赤字になることがあります。この赤字を法人税法では「欠損金」と呼びます。
法人の場合、この欠損金を最大で10年間繰り越すことができます。繰り越された欠損金は、その後10年間のうちに生じた黒字と相殺することができます。黒字と赤字を相殺するので、課税所得分を減らすことができ節税に繋がるわけです。
ただし、繰越欠損金制度の適用を受けるためには、事前に税務署から「青色申告の承認」を受けておく必要があります。このメリットを享受されたい場合は、事前に税理士等の専門家に御相談ください。
個人事業主の法人化メリット4
決算月を任意で決められる
個人事業主の事業年度は1月1日〜12月31日と決められています。個人が個別に決めることができません。
一方、法人の場合は事業年度を自由に決めることができ、繁忙期を避けて決算期の設定が可能です。年末年始は何かと付き合いが多くなったり、業務によっては特定の期間が忙しくなることがあります。
そうした時期を避けて事業年度を設定し、書類作成や手続きに時間を使いやすい時期に決算期を設定することで、通常業務への支障を軽減することは仕事環境を整えるという意味でも大きなメリットとなるでしょう。
個人事業主の法人化メリット5
事業が継続しやすくなる
個人事業主として事業運営をしていると、もし亡くなった場合に誰かが事業を引き継がないと、その事業は終わってしまいます。これは、取引先から見ると、個人事業主との取引にリスクを感じられてしまうかもしれません。
法人化することで、社長が亡くなっても会社を続けることに直接的な影響を与えることが無くなります。こうした理由から取引先からの信頼を得やすくなり、取引の増加や継続をしやすくなるメリットがあります。
さらに、会社の株を相続する方が、個人事業の相続よりも支配権の維持や遺産分割も容易になります。個人事業主では、相続の必要手続きが遅れると事業用口座が凍結されることもありますが、法人ではそのようなリスクもありません。
個人事業主から改めて法人化を検討されている方は、FinTax税理士法人に御相談ください。法人化による税務面のメリット・デメリットの詳しい御説明はもちろん、決算のサポートや税務・融資など、皆さんの御相談にのらせていただきます。
法人成りのデメリットって何?
個人事業主の法人化デメリット5選
次に個人事業主が法人化することで考えられるデメリットを1つずつ詳しく御紹介します。
個人事業主の法人化デメリット1
赤字でも税金の支払いがある
個人事業主は事業が赤字になってしまった場合、所得税や住民税の負担することはありません。
しかし、法人に課される法人住民税は均等割と法人税割で構成されており、均等割は法人の規模によって納める税額が決定されます。そのため、もし事業利益が赤字でも「法人住民税は納税」する必要があります。
納める法人住民税は事業所のある自治体によって税率が異なりますが、東京都の場合、資本金1,000万円以下で従業員50人以下の小規模法人であれば7万円の法人住民税が課税されます。
個人事業主の法人化デメリット2
社会保険の加入が必要になる
個人事業主の場合は、国の保険(国保)加入でも問題ありませんでしたが、法人化すると、社会保険への加入が必須となります。
これは従業員数にかかわらず必須となり、原則として健康保険や厚生年金に加入しなければいけません。また、社長一人の場合でも社会保険への加入は必須です。
ただし、国民健康保険や国民年金よりも手厚い補償が受けられるので、費用はかかりますがその分メリットもあります。
個人事業主の法人化デメリット3
会計や事務手続きが増える
法人化により、法人税申告書(年間の利益に対して支払う法人税を計算するための書類)や決算書(企業の年間収益と費用をまとめた書類)などが義務付けられるため、事務作業が増加します。
全て自身で行うと負担が大きく、税理士など専門家に委託いただくことも多いです。本業にリソースをなるべく多く注いでいただいた方が事業の成長も早くなりますので、本業以外の業務は収入とのバランスを取りながら専門家への委託を御検討ください。
個人事業主の法人化デメリット4
社会保険の加入義務が生じやすい
個人事業主として従業員を雇用している場合、常時雇用する従業員は5名未満の場合、社会保険の適用事業所とはなりません。
しかし、法人化してしまうと従業員を雇用しているか否かに関わらず、社会保険に必ず加入する必要があります。
社会保険料は、給与に応じて計算されるため、法人として成功すればするほど、負担が増えていくことになります。特に、中小企業にとっては大きな負担となる可能性があります。
社会保険への加入は、手続きが煩雑であり、毎月の保険料の計算や年度末の調整など、管理の手間が増えることにもなります。
個人事業主の法人化デメリット5
交際費が全額損金にできない場合がある
個人事業主の場合、事業に関わる交際費は経費として計上することができます。
法人の場合、資本金1億円以下の企業の場合、飲食費に限ってのみ50%を経費として認められ、年間800万円までが上限となります。
したがって、交際費の金額が多い個人事業主が法人化する際や、資本金が1億円を超える法人を設立される場合は、経費計上できる交際費の減少に注意が必要です。
個人事業主から法人化を検討されている方は、FinTax税理士法人に御相談ください。法人化による税務面のメリット・デメリットの詳しい御説明はもちろん、決算のサポートや税務・融資など、皆さんの御相談にのらせていただきます。
個人事業主の法人成りに必要な手続き
個人事業主から法人成りするには、以下の手続きを行う必要があります。
会社用の印鑑を購入する
法人化をするには、会社用の印鑑を購入する必要があります。ここで用意するべき法人の印鑑は、以下のとおりです。
- 代表者印(実印)
- 銀行印
- 角印
- ゴム印
代表者印は法人化する際に最も重要な役割を果たす印鑑で、登記申請の際に用いられます。代表者印がなければ法人化手続きは行えないので、用意しましょう。
また、銀行印は法人口座開設時に、角印は請求書や発注書などに用いる印鑑です。
定款を作成する
定款(ていかん)は、会社を設立する際に必要な書類として、会社設立の発起人全員の同意のもとで作成されます。この文書は「会社の憲法」とも称され、会社の基本的な情報や規則を記載します。
例えば、会社の名前・事業内容・住所などの基本情報や、会社の運営方針や規則などが含まれます。近年では、紙の形式だけでなく、電子定款としてPDF形式で提出することも一般的になっています。
定款の内容は、法律によって指定されている「絶対的記載事項(事業の目的や本社所在地など)」と法的には記載しなくても良いが、記載がないとその事項に関する効力が認められない「相対的記載事項」があります。
他にも絶対的・相対的記載事項に該当しない、会社独自の事項を「任意的記載事項」と呼びます。
定款の作成では、法務局などの公的機関から提供されるフォーマットを利用することで、記載漏れを防ぐことができます。
株式会社の場合は定款の認証を受ける
株式会社の場合、作成した定款は公証役場にて公証人から認証を受ける必要があります。
公証役場の認証手続きは予約制で、本社所在地にある公証役場へ事前に連絡し、公証人と認証の日時を決めなければいけません。また、定款を事前にFAXなどで公証役場に送ると内容を確認してもらえます。
定款の認証手続きには、以下の書類や費用が必要です。
- 定款:3部
- 発起人全員の3ヶ月以内の印鑑登録証明書:各1通
- 発起人全員の実印
- 認証手数料:30,000〜50,000円(資本金額によって異なる)
- 謄本代:250円×定款の枚数(現金)
- 収入印紙:40,000円分
- 委任状(代理人が申請する場合)
なお、定款の認証が必要なのは株式会社・一般社団法人・一般財団法人のみで、合同会社は必要ありません。
また、定款は紙だけでなく、オンラインで作成する方法もあります。これを電子定款といいます。電子定款の場合は収入印紙代がかからないですが、ソフトウェア購入などのコストが発生するため、どちらで作成するほうがお得か事前に確認しましょう。
資本金を払い込む
先ほど御紹介した会社の定款のの認証が無事に完了した次のステップとして、資本金の支払いが必要となります。資本金とは、会社を運営するための基本的な資金のことを指します。
この資本金の支払いは、発起人と呼ばれる人々によって行われます。発起人とは、会社設立の際に資本金を出資する人や、定款を作成するなどの手続きを担当する人のことを指します。資本金の支払いは、発起人の代表者の個人口座に行われるのが一般的です。(この段階ではまだ会社の法人口座を開設することができないからです。)
資本金の支払い方法は、銀行振込が最も一般的です。資本金の支払いが完了したら、「資本金の振込内容が記載されたページのコピー」を取っておきましょう。
この書類は、後で登記申請をする際に必要なので、大切に保管しておいてください。
法務局で登記申請する
会社を設立するには、法務局での登記申請が必要です。この申請には、次の書類が必要となります。
- 登記申請書
- 登録免許税納付用台紙
- 定款
- 発起人の決定書
- 設立時取締役及び代表取締役の就任承諾書
- 設立時取締役の印鑑証明書
- 資本金の払込み証明書
- 印鑑届出書
- 登記内容の書面やCD-R
これらの書類を揃え、法務局に提出すると会社設立の手続きが完了します。ただし、法務局からは「申請が通った」という明確な連絡は来ません。申請内容に何か問題があった場合は、法務局からの連絡に従い、修正・再提出が必要になります。
この登記申請の手続きは、専門家である司法書士に依頼することもできます。自分で手続きを行う場合は、所在地に応じた法務局で手続きを進めてください。
また、登記申請を行った日が、会社の正式な設立日となります。もし、特定の日付を会社の設立日として設定したい場合は、その日に合わせて登記申請を行うように計画的に進めることが大切です。
登記申請後に法務局で確認・手続きをする
登記が完了したら、法務局にて以下の確認・手続きを行います。
- 印鑑カードの取得
- 印鑑証明書の交付
- 登記事項証明書の交付
印鑑カードの取得は印鑑証明書の発行に必要なので、忘れずに手続きしましょう。また、登記事項証明書も、法人口座の開設や助成金の申請などに必要になります。
これらの手続きは再度法務局に出向くか、郵送を利用するかで行うことができるので、いずれかの方法で早めに取得しておくことがおすすめです。
個人事業主(フリーランス)の法人成りに必要な費用
法人を設立する際には、さまざまな費用が発生します。これらの費用は、設立する会社の形態によって異なる場合があります。具体的には、「法定費用」「資本金」「会社印鑑や印鑑証明書代」が主な費用として考えられます。
次の表は株式会社と合同会社の法定費用を比較したものです。
項目 | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|
定款用収入印紙代 | 40,000円(電子定款では不要) | 40,000円(電子定款では不要) |
定款の謄本手数料 | 約2,000円(250円/1ページ) | 0円 |
定款の認証手数料 | 資本金に応じて30,000円〜50,000円 | 0円 |
登録免許税 | 150,000円または資本金額 × 0.7%(高い方) | 60,000円または資本金額 × 0.7%(高い方) |
合計 | 約222,000円から | 約100,000円から |
この表のとおり、株式会社と合同会社では必要な費用が異なります。
法人化後には税金やオフィスの家賃、備品代など、さまざまな費用が発生することも念頭に置いておきましょう。法人化を検討している方は、これらの費用を計画的に準備して、スムーズな設立を目指しましょう。
よくある質問
法人化(法人成り)とは?
法人成り(法人化)とは、個人事業主として事業をおこなっている方が、株式会社等の法人を設立されて、個人として行っていた事業を当該法人が引き継いで運営していくことをいいます。 “事業を引継いで運営していく”という点が、法人成りの特徴であり、通常の会社設立と異なる点でもあります。
個人事業主が法人化するタイミングとは?
本記事でも詳しく御紹介していますが次のタイミングが一般的に多いです。
- 売上高が1,000万円を超えた
- 個人事業の所得が800万円を超えた
- 事業の拡大を検討しだした
それぞれ節税や社会的な信用(資金調達や取引の拡大)にとって重要なタイミングです。詳しくは本記事を御確認ください。
個人事業主が法人化するメリットとは?
本記事でも詳しく御紹介していますが次のメリットが一般的に多いです。
- 税制上有利となる
- 賠償範囲を制限することができる
- 赤字(欠損金)を10年間繰り越せる
- 決算月を任意で決められる
- 事業が継続しやすくなる
節税や社会的な信用(資金調達や取引の拡大)にとって個人事業主が法人化することで得られるメリットは多いです。詳しくは本記事を御確認ください。
個人事業主が法人化するデメリットとは?
本記事でも詳しく御紹介していますが次のデメリットが一般的に多いです。
- 赤字でも税金の支払いがある
- 社会保険の加入が必要になる
- 会計や事務手続きが増える
- 社会保険の加入義務が生じやすい
- 交際費が全額損金にできない場合がある
個人事業主が法人化すると同時に必要な手続きや費用が発生します。詳しくは本記事を御確認ください。
法人成りのメリットとデメリット
まとめ|個人事業主の法人化タイミング
個人事業主が法人化するタイミングとそのメリット・デメリットを御紹介しました。
個人事業主から一定の売上がたつようになったら法人化を検討される方は多いと思います。特に税制面と事業拡大に向けた社会的信用の獲得への貢献は大きいと言えます。
同時に法人設立にかかる費用や各種制度対応(社会保険など)に必要となる費用とその運用に工数が必要になります。
法人設立は節目であると同時に、今後の事業運営を如何に効率的に行っていくかを考える良いタイミングでもあります。FinTax税理士法人では法人化に向けた税務や資金面でのサポートをさせいただいています。
法人化することで節税メリットを享受できる場合も多いですが、同時に決算対応も必要になります。そうしたお悩みがある方は気軽に御相談ください。
創業・起業支援に多くの実績を持つ税理士メンバーがサポートさせていただきます。